ケガ予防2026.10.29 約3分で読めます
野球肘を防ぐために|中学生の投球数の目安と休養の考え方
成長期の中学生は、投げすぎによる肘や肩のケガが起こりやすい時期です。専門家が示してきた投球数の目安と、見逃してはいけない痛みのサイン、休養の取り方をまとめました。

中学生の時期は、骨の端にある成長軟骨がまだ固まりきっていません。この時期に投げすぎると、肘や肩に負担が集中し、いわゆる「野球肘」「野球肩」と呼ばれるケガにつながることがあります。早めに気づいて休めば治りやすいケガも、我慢して投げ続けると長引くことがあります。
この記事は一般的な情報です。痛みがある場合は、自己判断せず整形外科やスポーツドクターを受診してください。
投球数の目安
投げすぎを防ぐための目安として、専門家からいくつかの提言が出されています。
| 出典 | 中学生の目安 |
|---|---|
| 日本臨床スポーツ医学会の提言(1995年) | 全力投球は1日70球以内、週350球以内 |
| 中学野球の実態調査報告書(全日本野球協会・日本整形外科学会ほか) | 練習での全力投球は、野手も含めて1日70球以内、週300球以内 |
数字は資料によって少し違いますが、共通しているのは「1日・1週間の全力投球に上限を設ける」という考え方です。また1995年の提言では、1日2試合の登板は避けるべきとされています。所属するリーグやチームが独自の投球数制限を設けている場合は、そちらのルールに従いましょう。
ピッチャー以外も注意が必要
投球数というと投手だけの話に思えますが、捕手や内野手、外野手も、キャッチボールやノック、送球で多くの球を投げています。練習全体で何球投げているかを意識することが大切です。
見逃してはいけない痛みのサイン
- 投げるときや投げたあとに、肘の内側・外側・後ろが痛む
- 肘が完全に伸びない、または曲がりきらない
- 肩の前や後ろが痛み、腕が上がりにくい
- 以前より球が投げにくい、コントロールが急に悪くなった
- 痛みが翌日まで残る
こうしたサインがあれば、まず投げるのをやめ、早めに医療機関を受診しましょう。特に肘の外側の痛みは、進行すると治療に時間がかかることがあるとされています。
ケガを防ぐための習慣
- 投球数を記録する:試合だけでなく練習の投球も、ノートやアプリで記録しておくと、投げすぎに気づきやすくなります。
- 休養日をつくる:週に1日以上は投げない日を設け、オフシーズンにはしっかり休む期間をとりましょう。
- ウォーミングアップとクールダウン:いきなり全力で投げず、体を温めてから。終わったあとはストレッチを。
- 体全体を使ったフォーム:腕だけで投げると肘や肩の負担が増えます。下半身や体幹の使い方を指導者に見てもらいましょう。
- 複数のポジションを経験する:同じ選手ばかりが投げ続けないことも、チームとしての予防策になります。
- 睡眠と食事:成長期の体の回復には、十分な睡眠と栄養が欠かせません。
保護者ができること
- 子どもが「痛い」と言いやすい雰囲気をつくる。試合に出たい気持ちから痛みを隠す子もいます。
- チームの投球数や練習時間の考え方を、入団前に確認しておく。
- 定期的な肘の検診(野球肘検診)を行っている地域もあるので、機会があれば受けておく。
チーム選びの段階から、子どもの体を守る方針があるかどうかを見ておくことも大切です。軟式と硬式の違いとチームの選び方もあわせてご覧ください。
よくある質問
中学生の投球数の目安は何球ですか?
日本臨床スポーツ医学会の1995年の提言では、全力投球は1日70球以内、週350球以内とされています。中学野球の実態調査報告書では、練習での全力投球を野手も含めて1日70球以内、週300球以内としています。
野球肘はどんな症状ですか?
投球時や投球後の肘の痛み、肘が伸びきらない・曲がりきらないなどの症状があります。痛みがあれば投球を中止し、医療機関を受診してください。
肘が痛いとき、練習を続けてもいいですか?
痛みがあるときは投げるのをやめて受診するのが基本です。我慢して投げ続けると、治るまでに時間がかかることがあります。
野手も投球数に気をつける必要がありますか?
はい。キャッチボールや送球でも多くの球を投げています。練習全体での投球数を意識しましょう。
参考資料
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